戦中なのか戦後なのか

先週の朝日新聞に、高橋源一郎氏が震災について述べている記事が掲載されていた。


読んでみると、今回の震災に対する文壇の動きと、震災後は果たして戦中であるのか戦後であるのかとう事であった。


大震災以降、日本全体を興奮が覆っている感が確かにあり、現在もそうだと思う。それは正の興奮というよりも負であると思う。例えば、震災に乗じたナショナリズムであるとか、政府の対応をいちいち叩いたりとか。ボランティアも負の側面を持っている。


ボランティアは必要であればあっただけ良いと思って、きっと大型連休に現地にボランティアが押し寄せると思うのだけれど、仕事柄ボランティアをコーディネートする側からすると、短期的・消費主体的な活動というのが一番扱いにくい。お客さん的ボランティアが過剰に押し寄せて、それをさばききれずに余らせていると、ボランティアの方からクレームがくるという不条理が起こる。現に、他の災害ボランティアでそういう事を経験したことがある。私はこれをして「負の興奮状態」と思うわけ。


そう考えると、震災後復興という今の時間は、戦後復興というよりも戦中なんじゃないかと私は思う。
ボランティアなどの震災にコミットしないことがなんとなく「非国民」で、テレビのCMに流れているナショナリズムに背を向けて、メディアの情報に突然現れる震災から逃げまるく。こんな事しなくちゃいけないってことはやっぱりまだ戦中(震災中)なんだと思う。


じゃあどうなれば戦後(震災後復興)にシフトするのか。


うーん。とりあえず、前文を否定形にしてみる。


ボランティアなどの震災にコミットしないことが「非国民」扱いでなくなり、テレビやCMからナショナリズムが消え、メディアの情報に震災が唐突には現れなくなる。


・・・。


東北が早く復興されることを願う。