庄内川氾濫による浸水で思うこと

忘れてしまうので、今回の豪雨による庄内川氾濫について思うことを記す。


今日は朝から大雨で、庄内川が氾濫して特に長戸川河口付近の企業などが水没した。


元々あの付近全体だけれども、すべて田畑だった。ほんの20年前だ。
それが、区画整理が入って川縁の低い土地がどんどん宅地になっていった。現在でも本当に若干田圃が残っているものの、ほぼ宅地に造成されている。
宅地に造成された周辺を通るたびに、どう考えても川の水よりも低くくなるため、庄内川と合流する長戸川河口から水が来たら、あまりよいことは起きないだろうと思っていた。
それに、なにより先人がなぜこの土地に家を建てずに田畑にしていたのかという事を考えると、浸水のあった地区に限って言えば、住むには適さない土地であるということ以外にないだろうと考えていた。


三十年ほど前にも、大雨の時長戸川の水位が上がって人が流されたことがあった。見つかったのはちょうど長戸川河口付近だったと思う。
その記憶から、下志段味の特に長戸川河口は水が集まりやすく、水害が起こるとしたらその周辺だろうと思っていた。今回の豪雨で、その予測は的中している。ハザードマップを見ても、予測から外れたところはなく、浸水した地区は、ハザードマップの洪水予測そのままだ。


吉根の道路も一部冠水が見られた。
これは川の氾濫が原因ではなく、道路の南側に大きな山があるが、そこから雨水が流れて道路の一番低い上島付近に集中したためだ。だから冠水した道路の水は細かい粘土のような泥を含んでいた。
これも結局は、山を切り崩して造成した結果だろうと思う。
龍泉寺街道よりも北側の宅地は、下志段味と同じく区画整理された土地であり、もとは田畑であった。それがすっかり宅地となったが、ハザードマップで予測されているとおり、庄内川の堤防が決壊もしくは氾濫した場合は、浸水する土地である。


懐古的に考えれば本当にきりがないが、今回の下志段味や吉根の浸水は、田畑を無理矢理宅地に造成して人が住んだからこそ被害者が出たのであって、もし20年前の田舎ではあったけれど造成前の状態であれば、被害者は少なかっただろうと思う。


人口が増えることによって、田畑や山を造成することによって、失ったことはもはや計り知れないけれど、同時に便利で活気のある街になったことも確かなことだ。
この災害を人災というつもりはないが、30年という地元歴が浅い人間の私が見ても、ここ数年で造成された土地はどう考えても危険だと考えていたし、現に造成された川縁に水が来るだろうという理由で家を建てていない人も知っているので、地元の人間は、おそらく川縁で造成された土地にはほとんど手をつけていないだろう状況を考えると、何だが新しく造成された土地に住むのもすこし考えた方がよいと思うのである。