北朝鮮は本当にクレージーか

15日のニュースXにて、サッカー日朝戦報道を見ていて思ったこと。


北朝鮮サポーターの統率力が高く、しかし日本からするとそれは異常に見えるというメタメッセージを発していたが、統率のとられ具合は程度問題で、わが国も同じようにみんな揃って応援している。
ヨーロッパ人からすれば、我々の態度にも違和感を覚えるだろう。ただ今回と違うことは、ヨーロッパ人はそれをそれほどクレージーな態度とは思わないだろうということだ。日本の応援の態度を否定する必要もないだろうし、どうでもよいことだからである。


なぜ日本は、北朝鮮が報道の対象である時、ナショナリスティックな報道になってしまうのか。
なぜただのスポーツニュースについて、金日成を出して政治的な問題にしようとするのか。
北の体制の事なんてあえて言及しなくとも承知なのに。


イデオロギー抜きに今回のことを語るのならば、国際戦で日本が負けてしまったという、いつもやっているニュース番組後半の雰囲気で報道することは可能だし、それが自然である。


なぜそうならないのか。


北朝鮮では今回の試合は淡々と結果のみの報道であったそうだ。試合に勝ったからではないかということもあるかもしれないが、報道姿勢は北朝鮮の方が冷静であった。
解説が絶叫することもない、落ち着いた報道だった。
翻って日本の報道は、北朝鮮が日本人を目の敵にしているというようなよく考えてみると根拠のない、妄想的報道であった。


この場合、病気なのはどちらであろう。バイアスはどちらに強力に効いているだろう。


前のめりになっているのは、ひょっとして北朝鮮ではなくて、日本の方じゃないのか。


北朝鮮は思うほど異常な国じゃなくて、日本の方がクレージーなのではないか。
少なくとも無知な私にはそう思えたのでした。