人事異動でわかった私の狂った仕事の仕方

わが社で人事異動があって、私自身も今年度異動となった。
予想はしていたのだが、改めて今の状況を言語化しておこうと思ってここに記す。
※おそらく愚痴になるであろう。


私は前の部署にいた時、自分にしかできない仕事をしようと考えた。それは次の人に対する嫌がらせでも何でもなくて、中途半端に経済至上主義的なことを唱えているわが社へのアンチテーゼとして、私の代わりなど存在しないんだということを証明するために仕事を作ってきた。
だけどそれは、自分の代えがないことを証明すると同時に、私にしかできないために、かえって自分自身を仕事に縛り付ける結果となった。


このことはある程度覚悟していたことだった。仕事に近づくにつれ、自分の身体が地獄の業火に焼かれる思いだったが、それは仕方のないことだった。


こうして作り上げた仕事を、今度は他の人が代わりにする。当然、私が今までしてきた仕事を他の誰も代わってできるとは思っていない。しかし仕事はいつもそこにあるので、そこに来た方が各々やりやすいように進めてくれればいいと思っている。そのために今まで身を焼いた私としては、いくらでも協力するつもりでいる。


では、私がもらった仕事をどうするのか。
私はもう一度、地獄に堕ちようと思っている。
では、どういう形で堕ちるのか。


それは前任に、もらった仕事の是非を問わないという方法で、である。
人は弱いので、どうしても自分のおかれている境遇を誰かのせいにしたくなるときがある。人事異動による仕事の交換となれば責任者がはっきりしているので、もし困ったことがあれば前任に責任を問うことが”可能”であるから、もらった仕事がうまくいかなかった時、「おいおい、どうしてくれんだよ」と言うことが可能である。
しかし、渡されたバトンの色が気に入らなくて文句を言うスプリンターが存在しないように、託されたものは、もらった人間がその取り扱いを考えるのであって、前の持ち主がどうこうする話ではないのである。託されたものを自分が持てる力とありものでどうにかするというのが、武道をしてきた者としての態度なのだ。


問題は、そうした態度を他人にも少し期待してしまうという、私自身の弱さである。
だが、他人に地獄に堕ちろとはいえないので、私は黙って前の仕事の責任を背負っている状態なのである。


今私が置かれている状況というのが、互いの持っていた持ち物(つまり今までの仕事のことだが)を交換してみたら、相手から「俺の持ち物の方が良いだろう?(お前の持ち物よりも)」というメタメッセージを浴び続けている状況なのである。つまり面倒な目に遭っているのである。
私は、渡されたバトンが悪いのではないかとか、もっといい色なら良かったとか思わない人間なので、こうした状況を疎ましいと思うのかもしれない。だが、世にはそういったことをしなければ相手より優位に立てないと考える人がいることも確かであった。


ここに文章にしてようやく決心した。
私は、やはり地獄の業火に焼かれながら「仕事」をするほかないのだ。
その「仕事」には、後任の審級を受けるということも含まれている。