「教室・研修・知識」と「職場・現場・経験」の廻間で

重要なことは「振り子の揺れ」に惑わされないために、自分の軸をもつこと。「新しいと思っていたこと」が、実は、「過去に注目されていたこと」を知ること。そして「歴史から学ぶこと」ではないか、と思います。たいていは「安易な二極思考」を避けることで、本質が見えてくる可能性が高まるものです。


企業研修の歴史とその文脈から見る現在の研修の立ち位置のお話。
歴史をたどると、現代の組織人材育成のフレームが過去の巻き直しであることがわかる。私達は新しいと思ってやっていることが、実は手垢のついた装置を再起動しているに過ぎなかったということが他にもあるし、人材育成にも起こっているということだ。

1973年に、日本はオイルショックを経験します。様々な公害が社会問題となったのもこの頃です。社会不安を背景に、管理職や管理職予備軍などによる勉強会、異業種交流会が流行しました。
振り子は、「研修・教室・知識」ではなく、「組織外・交流」に例外的にふれはじめます。不況の時には、人は「組織外」に目が向くものです。


気になったのはこのセンテンス。経済状況によって人材育成の方法が変わっていくというのは、歴史をたどれば明らかなんだけど面白い。不況の時に組織外に目が向くということが、不況であること、儲からないということを我が組織の中に原因を見出すことで、解決しようとしているようにも見える。また、この先に組織外に目が向いたり、あるいは極端に組織内に特化していくようなことが起こった場合、景気が大きく影響しているかもしれない。
それと、不況知らずというか、業界的に不況があまり影響しない組織においては、最終的にどうなっていくのかが気になった。その時代のトレンドに乗って組織の人材育成をしていくのかもしれないけど、そもそも経済活動を主としない業界はもしかしたら落ち着く場所があるのではないか。例えば、その組織の経済状況が良いか悪いかによって、人材育成の仕方を変えていくならば、「教室・研修・知識」と「職場・現場・経験」とどちらのスタンスなのかということで、その組織の置かれている状況を推測できるのかと思ってしまった。